HP Probook 4520sに搭載されている「Celeron P4600 2.00GHz」を「Core i5-560M 2.66GHz」に交換していきます。
Arrandale(アランデール)世代のSocket G1(rPGA988A)に対応しているCPUなら動作するとは思いますが、今回はHPより販売されている4520sのラインナップの中にもある「Core i5-560M 2.66GHz」に交換します。ヤフオクで2,980円即決の物を購入してきました。PGA988の中では最もコストパフォーマンスが高いと思います。
準備
念のため、BIOSは最新の状態にしておきます。(メーカーHPからDL可能です。)
※2021/04/15 リンク切れを修正しました。4520SのBIOS(F.61 Rev.A)は、内容を見る限りセキュリティの更新だけっぽいので、CPUの動作には影響ないかもしれません。
分解の流れ
必要なもの | プラス(マイナス)ドライバー、CPU用グリス、交換用CPU |
所要時間 | 15分~30分程度 |
分解難易度 | 取り外しの難しいパーツはなく、分解は簡単な部類だと思います。 |
[重要] 分解前には、必ず電源ケーブルとバッテリを外してください。
また、静電気による短絡を防ぐため、予め金属製の物に数秒触れるなどして、体の静電気を払っておくと安心です。
まず、バッテリーを外した部分にある底面のネジ3本を外します。
硬いと評判ですので、なめないように慎重に回していきます。
背面の両サイドに2本、ゴム製シールの下にネジが隠されているので、シールを剥がし、ネジを外します。
本体を開いて「スイッチカバー」を上方向スライドさせた後、持ち上げて外します。
次に、キーボードを固定しているネジ2本を外し、こちらもスライドして持ち上げます。
キーボードはフラットケーブルでマザーボードと繋がっています。
ロックされているので、黒い爪をカチッと音がするまで引き上げてからケーブルを外します。
パームレスト部分分解(HDDの交換はこちら)
今回はタッチパッド清掃の為 パームレスト部分も外していきます。
CPUだけを交換する場合は、ここの作業は必要はありませんので読み飛ばしてください。
外す前にマザーボードと細いケーブルでつながっているので、予め抜いておきます。こちらも黒い爪のロックを外して引き抜いてください。
パームレストを固定しているネジ3本を外し、この部分は右にスライドして外します。
裏側のネジ1本を外せば、タッチパッドが取れるので、手垢などで汚れた隙間をキレイにします。
HDDを交換される場合はこちらの記事をご参考ください。
CPU交換に戻ります
CPU部分を覆っているアルミカバーのネジ1本を外してカバーを外します。
左側の方は両面テープでくっついているので、取れにくいですが引っ張ってしまって大丈夫です。
ヒートシンクを固定しているネジ4本を緩めます。ネジはヒートシンクからは外れません。
ブロアーファンを引き抜く様に外します。
4ピンの電源ケーブルは引っ張るだけで外せます。中の線が抜けないようにコネクタ部分を持って外してください。
古いグリスはきれいに拭き取っておきます。ついでに、ファンの埃も掃除しておくと良いと思います。
CPUを外します。
ロックされているので、マイナスドライバーで反時計回りに回しロックを解除します。
ロックが外れたらCPUを慎重に持ち上げて外してください。
新しいCPUに入れ替えます。正しい向きでないと嵌りませんので、置く際にはCPUの向きに注意してください。
無事置くことができたら忘れないようにロックしてから、グリスを塗っていきます。
ノートPCの冷却性能は高くないので、熱伝導率の高いグリスがオススメです。今回は昔に購入したArctic Silverを使用していますが、最近は導電性がなく冷却性能も高いグリスThermal Grizzly(通称くまグリス)のKryonautなどが人気です。
CPU、GPUの両方に塗ります。塗り方や量は諸説ありますが、筆者は少し余裕を持った量で全体に伸ばす派です。
一般的には、米粒程度の大きさを真ん中に落としヒートシンクで自然に押し広げる方が多いかと思いますが、このCPUはコアがむき出し(ヒートスプレッダなし)なので、ある程度多めでも良いかなと思います。理論上は、薄く塗れるほど熱伝導効率は良くなります。
電気の通るシルバーグリスなどを使う場合は、周りに着かないように注意しましょう。ショートするとヤバいです。
できたら、後は元に戻していくだけの作業になります。
ヒートシンクにも数字が書かれてますが、ある程度締めた後は、一方的に力が掛からないように、ネジは対角線ごと締めていきましょう。
動作が確認できたら無事完了です。お疲れ様でした!
おわりに
i5-560Mの上には、一応最上位の580Mがありますが、ベースクロックが560Mと同じでターボ・ブースト時に+0.13GHzされるだけの差になります。
また、i7-620M、i7-640Mもソケット的には付けられますが、Arrandale世代のi7は「4コア」ではなく「2コア4スレッド」です。i5との差はクロックと3次キャッシュの違いしかありませんので、値段が高い割に大きな差はありません。(動作するかも不明です。)これらのCPUは中古でだいたい5,000円を超えてますので、i5の中で2番目のスペック(ほぼ最上位と変わらないスペック)でありながら約3,000円の560Mがコストパフォーマンス的には最良だと思います。
分解の工程はメモリ増設やSSD換装、内部のクリーニングの際などの参考になれば幸いです。
関連記事:HP 4520sのCPUをi7 640Mにアップグレード
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