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雑記|miscellaneous notes

【2020年】α7III vs α7RIII 価格差の少ない今どっちを買うべきなのか?【違いを徹底比較】

投稿日:2020/05/01(更新日:2020/08/07)

カテゴリ:カメラ

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α7IIIが人気で価格があまり下がっていない中、α7RVIの登場でα7RIIIの値下がり、両機種の価格差が縮まっています。

発売時には約10万円ほどの価格差がありましたが、2020/05/01現在ヤフオクでは中古でα7IIIが大体17~18万程、α7RIIIは大体18~19万程度で流れています。本体の状態によってはα7RIIIの方が安く買えてしまう場合もあり、どっちを買うか判断が難しくなってきています。

元々高かったα7RIIIを買えるお得感がとても悩ましく、改めて両機種を比較してみたいと思います。

主な仕様

α7III(ILCE-7M3) α7RIII(ILCE-7RM3)
発売 2018年3月 2017年11月
センサー 35mmフルサイズ(35.6×23.8mm)
ExmorR CMOSセンサー
裏面照射型
35mmフルサイズ(35.9×24.0mm)
ExmorR CMOSセンサー
裏面照射型
有効画素数 約2420万画素(6000 x 4000) 約4240万画素(7952 x 5304)
高解像4K動画記録
(Super35mm時)
6000 x 33765(6K相当)を凝縮 5176 x 2924(5K相当)を凝縮
AF ファストハイブリッドAF(像面位相差+コントラスト)
4Dフォーカス対応
AF測距点 像面位相差:693点
コントラスト:425点
像面位相差:399点
コントラスト:425点
像面位相差 有効f値 f11 f8
連続撮影枚数 最高約10コマ/秒(AF/AE追随)
バッファー 圧縮RAW:約89枚
非圧縮RAW:約40枚
圧縮RAW:最大76枚
非圧縮RAW:約28枚
ISO感度 常用:ISO 100 – 51200
拡張:ISO 50 – 204800
常用:ISO 100 – 32000
拡張:ISO 50 – 102400
EVF 0.5型 約235万ドット 0.5型 約369万ドット
EVFフレームレート 60Hz 60Hz / 120Hz
EVF倍率 0.78倍
背面モニター 3.0型 TFT 約92万ドット 3.0型 TFT 144万ドット
手ブレ補正 センサーシフト5軸補正 5.0段 センサーシフト5軸補正 5.5段
撮影設定登録 本体:2モード
メモリーカード:4モード
本体:3モード
メモリーカード:4モード
メモリーカードスロット デュアルスロット
(SDカードスロット、SD/MSカードスロット)
* スロット1のみUHS-II対応
シーンセレクション機能
シンクロターミナル
ピクセルシフトマルチ撮影
バッテリー Zバッテリー(NP-FZ100)
Wシリーズの約2倍
撮影可能枚数
(CIPA規格準拠)
ファインダー使用時:約610枚
液晶モニター使用時:約710枚
ファインダー使用時:約530枚
液晶モニター使用時:約650枚
重量
(バッテリーとメモリカードを含む)
約650g 約657g

α7 III 主な仕様 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー α7R III 主な仕様 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

付属品の違い

α7III α7RIII
共通 ・バッテリー(NP-FZ100)
・ショルダーストラップ
・ボディキャップ
・アクセサリーシューキャップ
・アイピースカップ
違う部分 ・ACアダプター(AC-UUD12)
・マイクロUSBケーブル
・バッテリーチャージャー(BC-QZ1)
・電源コード(50cm)
・ケーブルプロテクター
・USB Type-Cケーブル

付属品については、α7IIIにはバッテリーチャージャーが付属しません。(付属のマイクロUSBケーブルを使って本体での充電は可能です)。このチャージャー(BC-QZ1)は定価9,800円+税なので、付属しているα7RIIIはお得感があります。(単品で発売されているチャージャーより電源コードは短めです)

チャージャーを使うと約2時間半での急速充電ができ、USBでの本体充電は約5時間ほどと結構時間がかかります。ちなみに、付属のUSBケーブルは、α7IIIが「Type-A → MicroB」なのに対し、α7RIIIは「Type-A → Type-C」になります。どちらを使っても充電時間は変わりませんし、本体にはどちらの端子も接続できます。

ケーブルプロテクターはα7RIIIのみの付属ですが、α7III用に別途用意しても本体に取り付け用のネジ穴がありませんので使用できません。

センサーの違い

画素数の違い

  • α7III:24MP(ローパスフィルター有り)
  • α7RIII:42MP(ローパスフィルター無し)

スタンダードモデルのα7IIIは24MPに対し、高解像度機であるα7RIIIは42MPとなっています。

画素数は多い方が解像感が高くクロップ耐性も高いですが、データサイズが大きくなる事によるストレージの確保、RAW現像するPCの性能、高解像に耐えうるレンズの確保など、周辺環境の水準が高くなるという弊害もあります

ローパスフィルターに関しても、ない方が解像感は高いですがモアレが発生する場合があります。ただし、α7IIIのローパスフィルターは効果が弱いらしいので、ローパスフィルター有りでも解像感が高いと言われています。

ソニーα7 III はローパスフィルターの効果が極めて弱い – デジカメinfo

AF性能の違い

  • α7III 像面位相差:693点(撮像エリアの約93%カバー)、コントラスト:425点
  • α7RIII 像面位相差:399点(撮像エリアの約68%カバー)、コントラスト:425点

α7IIIは像面位相差の測距点が多く、α7RIIIより勝っています。

両機種ともα9に搭載されたAFアルゴリズムを最適化して搭載しており“4Dフォーカス”に対応しています。α9の追従性には及ばないものの、どちらもAF性能は優秀です。ネット上ではα7IIIの方が速いという声が多いようですが大きな差はないと思います。

低照度パフォーマンスの違い

Sony a7 III dynamic range and high ISO improve over its predecessor: Digital Photography Review

DPREVIEWの記事を見る感じでは、α7RIIIの画像をα7IIIと同じ24MPにダウンサイズして比べるとノイズ量はほぼ一致し、ダイナミックレンジもほとんど差がないとの事です。実際に使用するようなサイズになった時には同じぐらいと言えるようです。

α7RIIIは高解像度機としてはノイズは少ない方だと思いますが、それでも等倍で比べるなら画素ピッチの広いα7IIIの方がノイズは少くなります。

DXOMARK センサースコア

α7III α7RIII
Overall Score 96 100
Portrait
(color)
25.0 26.0
Landscape
(dynamic range)
14.7 14.7
Sports
(low-light ISO)
3730 3523

Sony A7 III: Low-light performer – DXOMARK

DXOMARKも8MPにリサイズしたものを比較評価したものです。参考までに。

関連記事:α7III vs α7s 等倍でのノイズ量はどっちが多いのか?

ISO感度の違い

  • α7III 常用:ISO 100 – 51200、拡張:ISO 50 – 204800
  • α7RIII 常用:ISO 100 – 32000、拡張:ISO 50 – 102400

α7IIIの方が高感度方向に0.3段ISOの設定できる範囲が大きいです。ただISO-3万とか5万を通常使うシーンは一般的にほとんどないと思いますので、あまり気にしなくて良いと思います。。

EVF解像度の違い

  • α7III:約235万ドット
  • α7RIII:約369万ドット(120fps表示対応)

電子ビューファインダーの解像度はα7RIIIの方が高いです。解像度が高いのでピントの山がより分かりやすいとの声が多いようです。AF頼りならそんなに気になりませんが、シビアなピント合わせを必要とする場合や、MFを多用する方などはα7RIIIの方が良いかもしれません。個人的にはα7IIIでも気になりません。

シャッター音の違い

α7IIIとα7RIIIはシャッター音が微妙に違います。α7RIIIは応答性に優れたコアレスモーターを採用し、メカ先幕/後幕用にブレーキ機構が付いた低振動メカシャッターが採用されています。比べればα7IIIの方が音が大きく振動が強いようですが、以前のモデルよりは音は小さく振動も抑えられているので、あまり気にしなくても大丈夫かと思います。

音の好みについては人によるところが大きいと思いますので何とも言えませんが、気になる方は店頭でチェックされる事をおすすめします。個人的には第2世代のシャッター音の方が好きです。

レリーズ耐久性の違い

  • α7III:約20万回(電子先幕シャッター使用時)
  • α7RIII:約50万回(電子先幕シャッター使用時)

低振動メカシャッターが採用されているα7RIIIの方がレリーズ耐久性は高くなっています。とはいっても約20万回で必ず壊れるわけでもなく耐久性の目安になります。一般的な撮影環境では20万回にはなかなか到達しないと思いますので、十分と言えると思います。筆者の使い方では一年使っても数千枚程度なので、余裕ありすぎなぐらいです。1日に何千枚と撮影するようなプロユースの方や、連射を多用する使い方などではα7RIIIのほうが安心と言えるかもしれません。

サイレント撮影でも14bitRAW記録に対応(両機種)

一枚撮影時 連続撮影時
圧縮RAW設定時 14bit 12bit
非圧縮RAW設定時 14bit 14bit

これはどちらの機種も共通ですが、II系ではサイレント撮影時に問答無用で12bitRAWにされていたところ、III系は非圧縮設定なら連続撮影時も14bitで記録してくれるのでより使いやすくなりました。

シャッター音が気になるときはサイレント撮影を使えば解決と言いたいところですが、サイレント撮影にはフリッカーレス撮影機能が使えなくなったり、動きの速い被写体ではローリングシャッター歪みが出る場合があったり、フラッシュが使えなかったりと、万能とはいかないところもあるのでうまく使い分けたいところです。

メカシャッターの使用回数が気になる場合もサイレントシャッターを使えばメカシャッターの耐久性を気にする必要がなくなるというメリットもあります。

本体の剛性の違い

引用元 : α7R III 特長 : プロのワークフローに応える高い操作性と信頼性 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

α7III α7RIII
マグネシウム合金 トップカバー
フロントカバー
内部フレーム
トップカバー
フロントカバー
内部フレーム
リアカバー
強化プラスチック リアカバー

トップカバー、フロントカバー、 内部フレームはどちらもマグネシウム合金が使われていますが、α7IIIは画像では一番右にあるリアカバーが強化プラスチックになっています。

塗装はどちらも一緒なので外観からは違いが感じられません。触ると分かる程度の差で、衝撃などに受けたときの内部へのダメージに影響するかと思います。大部分はα7IIIもマグネシウム合金がつかわれていますし、落とさなければ問題なしとも言えます。

モードダイヤルの違い

  • α7III:カスタム設定1~2、樹脂製
  • α7RIII:カスタム設定1~3、金属製、ロック機構あり

α7IIIは本体にカスタム撮影設定を2モード保存でき、ダイヤルにも1~2番があります。α7RIIIは本体に3モード保存できるので、モードダイヤルの番号も3まであります。

それ以外にも、ダイヤルの材質がα7IIIが樹脂なのに対し、α7RIIIは金属でロックボタンも付いていたりと、細かな違いがあります。

シンクロターミナルの有無

  • α7III:無
  • α7RIII:有

α7IIIには付いておらず、その部分は埋められていますが、α7RIIIにはシンクロターミナルが付いています。

ストロボやモノブロックを使う際に発光信号を送るための端子です。いわゆるPC端子。ただし、昨今はホットシューにワイヤレスフラッシュトリガーを付けて無線でストロボの制御をする事が多く、あまり需要のない端子です。

普段使ってる人や、スタジオによって使う場合がある人など、あれば便利なぐらいの端子です。

ホットシュー用の変換アダプタなどを使えばα7IIIでも使用できます。

手ブレ補正の違い

  • α7III:5.0段
  • α7RIII:5.5段

どちらもボディ内に5軸手ブレ補正が内蔵されています。その差は0.5段なのでほとんど差はありません。あまり気にしなくて良い部分かと思います。

終わりに

α7III

ハイスタンダードな機種としてバランス良くまとまっています。解像度が高すぎず低すぎずもないので、データが扱いやすいところが魅力です。高感度耐性とAF性能に関してはα7RIIIより優れていますので、その部分を重視する方にもオススメです。

α7RIII

高解像度機ということで42MPのデータを扱いきれるかが重要です。大きなデータサイズによる書き込み中の動作のもたつきや、RAW現像時のパフォーマンス、記録メディアの圧迫などの懸念点をクリアできれる環境なら、解像度において圧倒的な差があります。クロップ耐性も高いので、遠くの風景や野鳥撮影など一部の用途で代えがたい力を発揮します。元々α7IIIより10万円程高い機種なので細かいところでコストが掛かっており信頼性も高いです。そういった部分にもこだわりたい方にはα7RIIIがおすすめです。

まとめ

使う方の撮影スタイルによって一概にどちらが良いとは言いにくい所ではあるんですが、多くの方にとっては様々なシーンで卒なく使えるα7IIIがおすすめかなと思います。

ただし、高解像度のデメリットを許容できる環境の方や、それも覚悟の上ならα7RIIIの方がお買い得感があります。野鳥を撮ったり、風景を解像感高く写したいなどの撮影スタイルではα7RIIIが向いているかと思います。

第3世代は第2世代から大幅にパワーアップしており、完成度が高いので満足できるのではないかと思います。ちなみに筆者は等倍でのノイズの少なさを重視してα7IIIにしました。

おすすめのレンズ

初めの1本におすすめな24-105mmの標準ズームレンズです。通常の24-70mmではちょっと望遠が足りなく感じる場面でも、このレンズなら105mmまでいけます。開放から安定した描写で、近接性能もある程度高いので、撮れる写真の幅が広くて楽しめると思います。定番で評判の良いレンズです。

カテゴリ:カメラ

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投稿日:2020/05/01(更新日:2020/08/07)

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